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JR西日本の新快速とJR東海の新快速、何が違うの?

そもそも、新快速という種別は、1970年からあります。
当時は、京都駅から西明石駅間を結んでいて、停車駅は、京都、大阪、三ノ宮、明石、西明石という、まさかの新幹線停車駅の新大阪も通過するという速達ぶりでした。しかも、今は日中は15分に1本は走っていますが、当時は1日6往復で、とても便利とはいえませんでした。
しかしその後、停車駅、運行区間を徐々に増やし、現在では、西は播州赤穂、上郡、東は米原敦賀まで延伸されており利便性もとても向上しています。
JR西の新快速は、草津駅西明石駅間の日本一長い複々線を活用した、とても軽快な走りが特徴です。
また、2019年からは、有料座席Aシートが設置されました。Aは、amenity、神戸線京都線琵琶湖線の路線記号のA、関西弁の「ええ」に由来しています。
2022年より、全席指定となり、840円を払って乗ることができます。しかし、e5489 などで予約すると、450円や、600円でも乗ることができますが、青春18きっぷなどの企画乗車券では、e5489 などのチケットレスサービスは利用できません。
外観は、ドア横に「A-SEST」のロゴをあしらい、特急サンダーバード号と共通するブラックの窓周りに、521系(JR西日本車)に似た青色の帯を巻いています。
車内には新たにパーティションが設けられ、そのパーティション内は有料座席エリアとされており、テーブルとコンセントを備えた、特急普通車と同等のリクライニングシートが2-2列で設けられています。シートピッチは首都圏普通列車グリーン車と同等の約970mm(現行910mm)とし、電球色に交換された照明、ブラウン木目調となった内装とあわせ、快適性を高めた落ち着きある空間となっています。ラック式の荷物スペースを備えるほか、無料Wi-Fiサービスが提供されている。トイレは洋式化され、車いす対応の多機能タイプとなっています。また、パーティションの外側であるドアおよびトイレ周辺は立席エリア(フリースペース)となっており、ここにいる限りは料金は発生しません。
1972年には、阪和線にも新快速が誕生しました。
天王寺から和歌山間を45〜51分で結んでいました。運行本数もそれなりに多く、9時〜15時台にかけて1時間に1本運行されていました。
しかし、停車駅は、天王寺、鳳、和歌山と、停車駅が少なすぎて、利用客が減少。1978年に廃止されました。
このように、JR西日本では、速達性を意識しすぎた快速という感じです。
JR西日本の新快速の停車駅は(姫路以西と、米原以北、近江舞子以北は各駅に停車するので省略)、姫路、加古川西明石、明石、神戸、三ノ宮、芦屋、尼崎、大阪、新大阪、高槻、京都、山科、(米原方面)大津、石山、南草津草津、守山、野洲近江八幡能登川彦根米原湖西線大津京比叡山坂本堅田近江舞子です。
歴代のJR西日本の新快速の運用についたことのある形式を紹介します。
113系
最高速度110km/h。
初代新快速の車両で、1970年から1972年まで使用されました。
2004年にリバイバル新快速として、京都駅〜西明石駅間を7両編成の湘南色を使用し、運転されました。
現在も湖西線草津線で運行されています。
153系
最高速度110km/h。
2代目の新快速車両で、1972年から、1980年まで活躍しました。
灰色9号地に、青22号の帯を巻いた、専用塗装がされていました。
117系
最高時速110km/h。
3代目は、初の新快速専用車両です。
ティーライナーという愛称で親しまれ、1980年から1999年まで活躍し、1990年には、最高時速115km/h化しています。
2004年に117系の原色車12両編成を使用し、草津〜姫路駅間でリバイバル新快速として運転。2009年4月4・5・11・12日に、湖西線永原駅〜京都駅間で、117系を使用した臨時新快速が運行されました。
現在は、湖西線草津線普通列車で運行しています。
221系
最高速度120km/h。
4代目の車両で、1989年から2000年まで運転されました。
2000年以降もダイヤが乱れた時や、臨時便などで活躍しています。
現在は、主に湖西線草津線普通列車東海道山陽本線の快速列車で運転されています。
223系(1000番台、2000番台、3000番台)
最高速度130km/h。
5代目の新快速車両で、1995年から運行を開始し、2000番台登場の、2000年から130km/h運転を行なっています。
1000番台の一部車両には、2019年から有料座席Aシートが設置されています。
現在は、新快速のほか、快速、普通列車としても運行しており、とても幅広い区間で運行されています。
225系(0番台、100番台)
最高速度130km/h。
6代目の新快速車両で、0番台は2010年から、100番台は2016年から運行しています。
実質的に、223系の増備扱いで、性能も223系と同じなため、223系以前のように、短期間で同一形式を置き換え、車種を統一するようなことなしていません。
207系
最高速度120km/h。
1991年から福知山線JR東西線学研都市線で運行されてきた103系を置き換えるために開発された車両です。
現在は、福知山線JR東西線学研都市線JR京都線神戸線琵琶湖線の一部と、おおさか東線大和路線直通快速として運行されています。
神戸ルミナリエ神戸ウイングスタジアムでの2002FIFAワールドカップの臨時列車として、新快速運用についたことがあります。
321系
最高速度120km/h。
2005年に、これまで東海道山陽本線普通列車として運行されてきた201系、205系の置き換え用に運行を開始した形式です。
207系と共通運用で、走行区間なども207系と同様です。
2013年に神戸総合運動公園で行われた、サザンオールスターズのコンサートの臨時列車として、大阪駅三ノ宮駅間で、新快速として運用されたことがあります。
115系(岡山車)
最高速度100km/h。
1976年に、80系電車を置き換えるために、北関東地区で運用されていた115系を転用させたのが始まりです。
2020年に、ダイヤが乱れ、その際に、姫路発播州赤穂行きの新快速として運行されたことがあります。
521系
最高速度120km/h。
北陸本線では、419系など、製造して50年が経過しようとしている車両が走っており、その車両の置き換えを目的に2006年から製造されているのが、521系です。
新快速で運用される223系2000番台と同等のサービスを提供するため、製造費は、2両で5億円と、とても高いです。
521系は、ほぼ毎年新快速の代走をしています。
夏は、大雨で、米原敦賀間の新快速や、湖西線近江今津敦賀間の新快速で、冬は、大雪で、上記のような運用についています。
つづいて、JR東海の新快速新快速です。
国鉄末期、豊橋〜大垣間の東海道本線は、普通、快速が1時間に1本と、非常に貧弱な路線で、1971年に運行を開始した快速に使用されていた153系の置き換えとして、117系を1982年に投入し、「東海ライナー」と名付けました。しかし当時は普通列車の運行本数が少なく、米原、大垣から静岡、熱海、東京方面への直通列車も多かったために、運行間隔も統一されておらず、使いやすいダイヤには程遠かったのです。
対して、当時の名鉄名古屋本線は、特急、高速、普通など、1時間に7本運行されており、国鉄の運用実績はこれに遠く及ばないものでした。
国鉄分割民営化後の、1986年、名古屋鉄道管理局は、名古屋地区の普通列車の輸送改善を目玉とし、6両編成で、9編成存在した117系に、新製先頭車を加えて、4両編成で、18編成に増やすなど、大垣〜豊橋間の快速列車と、普通列車の運行本数を実現させました。
さらに、翌年誕生したJR東海は、大垣〜豊橋間を、経営上東海道新幹線に次ぐ在来線の重要区間として位置付け、新型車両の導入と、増発を重ねていくことになります。
1989年3月に、JR東海に初めて新快速が導入されました。運行区間は、蒲郡駅大垣駅間に限定され、当時は岐阜駅〜大垣駅間をノンストップで走っていました。車両は、117系を用いられ、最高速度は110㌔㍍でしたが、7月には、311系という新型車両を導入。新快速に集中投入することで、1年かけて新快速は311系に統一され、運行区間豊橋駅大垣駅間に拡大されました。これによって新快速=311系、快速=117系という棲み分けがなされ、最高速度120㌔㍍の新快速は、快速に比べ、特別な存在となりました。一方、快速の運行区間米原駅〜浜松駅間へ拡大され、比較的長距離を走る列車も多くなりました。
1999年3月、313系電車が導入され、311系を置き換える形で新快速に導入され、同年の12月には、全新快速列車が313系に統一されました。
最高速度は311系と変わりませんが、加速性能の向上により、所要時間の短縮。また、同時に新たな種別「特別快速」が登場し、朝方は、新快速ではなく、特別快速にほとんど変更されました。
同時に、普通列車大垣駅発着ではなく、岐阜駅発着になったため、新快速、快速は、岐阜駅〜大垣駅間を各駅に停車。同時に幸田、三河三谷にも停車する列車が夕方に設定されました。この列車は快速列車を格上げしたもので、同時に米原駅〜浜松駅まで運行範囲も拡大されました。
今ダラダラと説明しましたが、ここでの一番大きな変化は、快速列車にも313系が投入されたことによって、新快速と快速の性能が統一されたことです。全体の底上げを行うことで、JR西日本のような、「停車駅が少なく、スピードが速い」という新快速ではなく、JR東海の新快速は、「快速よりも1駅停車駅が少ない快速」として位置付けられました。これは、同時に登場した特別快速も同じで、新快速に1駅停車駅を減らしたのが特別快速です。
313系の大量投入によって、311系普通列車に用いられました、
ただし、ラッシュ時間帯は、311系も新快速や、特別快速の運用に入り、117系の新快速も再設定されました。この旧型車両での新快速は、余裕を持ったダイヤで運転されました。
2006年に、終日混雑が激しい東海道本線の快速の増強が行われ、新たに313系が72両投入され、昼の時間帯には、これまでの4両編成ではなく、6両編成で運転され、ラッシュ時間帯にも増発や、増車なども行われています。
また、三河三谷駅幸田駅には、1部の快速、新快速で、千鳥停車が行われてきましたが、この改正で、両方に停車する新快速が現れました。一方で、両方に停車する快速列車は存在しないため、新快速の位置付けは曖昧なものになり、「共和駅を通過する快速」という位置付けになりました。土休日には、ラグーナテンボスへのアクセス改善として、上り列車のみ三河大塚駅に臨時停車するものまで現れました。
2008年に、岡崎発着の新快速が3本設定され、313系には車両の余裕がなかったため、117系での運行となりました。
2020年まで、311系の運用が少しありましたが、現在は全て313系の運用になっています。
JR東海、新快速の停車駅は、米原、醒ヶ井、近江長岡、柏原、関ヶ原、垂井、大垣、穂積、西岐阜、岐阜、尾張一宮、名古屋、(尾頭橋)金山、(熱田)(笠寺)大府、刈谷安城、岡崎、(幸田)蒲郡、(三河三谷)(三河大塚豊橋、二川、新所原、鷲津、新居町弁天島、舞阪、高塚、浜松です。()のところは、臨時停車です。
JR東海の新快速で、これまで使用されたことがある車両を紹介します。
まずは、117系電車です。営業最高速度は、110km/hで、1989年から1990年まで活躍しましたが、311系の導入によって置き換えられ、運用が消滅。しかし、1999年に、夜の浜松駅発米原行きの新快速として復活。しかし2006年に消滅したが、2008年に朝の岡崎発名古屋行きの2本、米原発岡崎行きの1本で、再々設定。2009年には、夜の豊橋発大垣行きが追加されました。2012年でさらに2本増加しましたが、2013年に313系に置き換えられ、新快速だけでなく、JR東海から姿を消しました。
次は、211系電車です。
最高速度110km/h(のちに120km/h)。
1989年から1990円まで新快速の運用についていましたが、311系に置き換えられ運用消滅。
しかし2003年に休日の大垣発豊橋行きとして1本再設定されましたが、2006年に消滅。
2011年に、岡崎発名古屋行きとして再再設定されましたが、313系の導入によって2011年に東海道本線から撤退。関西本線に転属されました。
続いて、311系です。
最高速度120km/h。
1989年から新快速の主力車両として運転されてきましたが、1999年に313系によって日中の新快速運用がほぼ消滅。2006年に313系の追加導入があったため、新快速の運用は完全に消滅しましたが、2008年より、大垣電車区から、浜松方面への送り込み回送も兼ねて、新快速の運用が復活。2020年まで311系の新快速運用が存在していました。
最後に、313系です。
最高速度120km/h。
1999年に新快速の主力車両として運用開始。2006年には、5000番台が増備され、以降ほぼ全列車が313系に統一されています。
原則、普通列車として運用される1100番台(J編成)、飯田線などで運用されるワンマン対応の3000番台(R100編成)も僅かに運用があります。
結論:JR西日本と、JR東海の新快速の違いは、JR西:速達性重視した快速、JR海:共和駅を通過する快速 という感じです。
しかし、速達性を重視しているJR西の新快速より、JR東海の新快速の方が表定速度が速いです。
JR西は、京都や、大阪での停車時間が長いため、表定速度を落としています。JR海は、名古屋駅でそこそこ止まるものの、他の駅での停車時間が短いため、表定速度が速くなっています。